こんにちは、みはらです。
昨日の4月18日(木)に第1回Drone Emergency Care(ドローン活用のための応急処置)講習基礎編を開催致しました!私も記事にすべく、特別に見学&一部参加いたしました!

今回は、DEC講習の様子を少しだけご紹介します!

講習会で何が学べるの?

今回の基礎編の講習会では、

  1. 事故発生時の初期対応
  2. ドローン運用時に想定される事故の種類
  3. 想定される外傷の種別と処置の実際
  4. 外傷対応訓練
  5. 総合訓練
  6. 修了試験

が実施されました。

特に「外傷対応訓練」に関しては、事前に私も参加してよいとの許可を得ていたため、前日から「どんなことをするんだろうな」とワクワクしながらも、以前に教職員を対象とした救命・救急に関する講習で行った実技内容を思い起こし、「きっとこのくらいのことをやるのだろう」と予測を立てていたのです、そんな想像をはるかに超える内容の充実ぶりに感動したとともに、正直とっても疲れました・・・。

「こんなに外傷の処置方法ってあるの?!」と驚きましたが、「学ぶ必要があるのか?」という疑問は一切持ちませんでした。というのも、実技の前に「ドローン運用時に想定される事故の種類」と「想定される外傷の種別と処置の実際」を教えていただいたからです。

特に、「想定される外傷の種別と処置の実際」では、実際にドローンによって負傷された外傷の写真を多数拝見し、ゾッとする疑似体験をしたので「この処置をしないとあんなことになるのだ」と実感でき、最後まで意欲と緊張感を持ち続けることができました。

外傷対応訓練の内容は?

それでは、みなさんが気になられているであろう「外傷対応訓練」の内容を特別に、少しだけご紹介したいと思います。

プロペラなどによる切創の処置方法

最も発生の可能性が高く、その反面、正しい処置が行えない可能が高い外傷の処置方法です。

というのも、プロペラはドローンが立ちゴケ等した時に地面を叩くことがあり、その時に土中の細菌などの微生物が付着しています。巻き上がって付着した土埃や草、虫などにも感染症の原因となる細菌やウィルスが多数付着しています。特に恐ろしいのは「破傷風」に感染してしまうこと。ドローンのプロペラによる切創は回転数が多いために、短時間に何度も近くを切りつけます。その傷の中にこうした付着物が紛れ込んでしまうことがあり得るのです。

これを回避するためには、傷口を綺麗な水で圧力をかけて適切に洗浄、その後ポピドンヨードで消毒してガーゼと三角巾等で被覆し、必ず、病院で感染症を防ぐための投薬処置(免疫グロブリン、破傷風トキソイド等)をしていただく必要があります。また、病院でも迅速かつ的確な処置を受けるために外傷の原因となったプロペラを持参し医師に見せたほうがよいことなども教えて頂きました。

止血方法

この処置もプロペラによる傷が深かったり、当たった場所が悪かったりすると必要になります。

「止血なんて手で抑えていればいいじゃない」と思ったあなた!

手当をしなくてはいけない人が必ずしも1人とは限りません。また、負傷者に押さえてもらうにも力がたりなかったり、傷が押さえにくい場所にある可能性も十分あります。

ご存知の通り、出血量は生命の危機に直結します。生き物にとって無駄にしていい血液は一滴たりともないのです。

ちなみに・・・・

ちなみに人の血液は体重の13分の1、つまり体重に8をかけて0を1つ加えると血液量になるそうです。(例:60kgの人の血液量=4,800ml)このたった3分の1を失うと命を失う出血性ショックに陥る可能性があります。統計上大量出血を放置すると、30分程度で半数の人が命を失うレベルになります。(カーラーの救命曲線より)

果たして人里離れた場所でのドローン実験中に事故が発生した場合、30分以内に病院にたどり着けると言い切れるでしょうか?たどり着けない場所の方が多いのではないでしょうか?だからこそ、がっちりと止血を覚える必要があるのです。

切断されてしまった指の処置方法

こちらはかなりショッキングな出来事ではありますが、実際に起こりうることです。

特に農薬散布用などの大型機や産業機をご使用されている方とお話ししていると「指が飛ぶくらいならまだマシ」ということまでおっしゃります。

では、どんな処置が必要なのか?

真っ先に止血と救急要請を行い、救命センターに行くことですが、それまでの間に切断されてしまった部分(指先など)を適切に保護することが大事なんだそうです。

その際、取れてしまった指などを真水では絶対に洗ってはいけないということは衝撃でした。

ついつい、細菌などによって汚染されないよう、丁寧に洗浄・消毒し、キンキンに冷やして(なんなら食塩を少し入れた氷水の中にボチャンと漬けて)病院に持って行くのが良いのかと思っていましたが、真水につけてしまうと細胞の浸透圧の関係により、落ちた指の細胞が死滅し、再接着手術が行えなくなってしまうとのことでした・・・。
正しくはぜひ講座を受けてみてくださいね!この切断指キットも講座受講でもらえる応急処置セットに付属していました!

「良かれと思ってやったことが、やってはいけないことだった」ということほど後悔されることはありません。誰かを助けるためには「思い」だけでなく、「正しい知識」が必要なのだと改めて痛感させられました。

その他にも・・・

出血を伴う外傷への処置以外にも、三角巾を使用した眼球が損傷した際の処置や、熱傷処置、ショック状態にならないための対処方法なども指導して頂きました!

この講習会を見学(体験)してみて

改めてドローンを扱うことの責任を痛感すると共に、この講習会の素晴らしさと必要性を実感しました。また、「1回受講したからいいや」ではなく、「継続して受講したい」と自発的に思いました。

それは実際に外傷処置で体験したことを「見て・聞いて分かった」は「実際に手を使って処置できる」こととイコールではなく、何度も練習して体で覚えないといけないと実感したからです。

私がこれまでもっていた「救命講習」の概念を根本から覆し、新しい学びと気づきを体得させてくれたとても素晴らしい講習会でした。

より多くの方がこの講習会に参加してくださることを願うばかりです!

最後に・・・・

「民生機で怪我をすることなんて滅多にないから自分には関係ない」と思われたそこのあなた!

今までのご自身のフライト経験の中で本当に、ただの一回もヒヤっとしたことはありませんか?

たしかに現在市場に出回っているドローンはとても性能がよく、通信障害が発生したりセンサー類の誤作動や急激な電圧降下が発生することはだいぶ減ってきました。

しかしながら「プロペラやバッテリーがきちんと装着できていなかった」、「フライト中にバッテリー残量のチェックを怠ったせいで墜落した」、「不用意に送電線などに近づいて電波障害が発生した」といった人的事故はゼロにはならないと思います。むしろ性能が良くなったがために確認作業が疎かになり、増加している可能性も否定はできないかと思います。

人を傷つけるのはドローンではなく人です。どんなドローンを使っているかは関係ないのです。

一度、「ドローンで人を傷つけてしまった」ことを想像してみてください。
止めどなく流れ出る血を目の前にしたとき、あなたは「何をすれば良いか」を的確に判断し、それを迅速に行動に移すことができますか?

想像力は人を強くします。ぜひとも考えてみて下さい。
そして想像していただけでは何も始まりません。一緒に行動に移しましょう!

( 主催:株式会社ダイヤサービス  代表取締役  戸出智祐 )
(担当講師:一般社団法人 ファストエイド   代表理事 小澤 貴裕(救急救命士))