こんにちは、千葉DRONE WALKERの鴻野です。

今年の2月にドバイ(アラブ首長国連邦:UAE)の機関が、中国のドローンメーカーEHANGと共同で、乗用ドローン「Ehang184」の試験飛行を行なった。というニュースがあったのは記憶に新しいと思います。
この時点では、今年の7月にドバイ国内で、乗用ドローンを運用し始めるという情報であったことは記憶に新しい方も多いかと思います。(「Ehang 184」はYouTubeで御覧いただけます)
https://youtu.be/a5Q2W0r5e-s

その後どうなったのか気になりますね。今のところ「運用を開始しました」というニュースは聞きません。さすがに性急であったのかと、そう思いましたが思わぬことになっていたようです。

乗用ドローンが進化していた

イギリスのフリー新聞「メトロ」で、6月27日に伝えられたのが「ドバイで無人のフライングタクシーが年末にも飛行を開始する予定」というものでした。(下記リンクは「メトロ」が伝えたニュース)

http://metro.co.uk/2017/06/27/pilotless-flying-taxis-are-coming-to-dubai-before-the-end-of-this-year-6739011/

7月の予定が年末に延びたのか。と、一見そう思っただけでした。しかし機体を見て、すぐに違いがわかりました。乗用ドローンの機体が違うのです。

2月に見たものは1人乗りでしたが、これは2人乗りで定員が増えています。
性能は、ローターが18、最高速度は62mph(62マイル/時:時速約100キロメートル)、40分の充電で17分の飛行が可能だそうです。
だいたい、この機体では半径15~20キロメートルくらいが飛行範囲だと思います。

性能を、精一杯出すことが出来るという仮定で、半径20キロメートルは、日本で考えるとJR東京駅からおおよその距離で、西はJR三鷹駅、南はJR川崎駅、東はJR船橋駅、北には主だったJRの駅が無いのですが、埼玉県川口市あたりです。
これは目的地で充電が出来たら、という話です。
充電が出来ない場合は行動半径が半分になります。しかしJR四ツ谷駅をJR山手線のど真ん中と考えて10キロメートル半径の円を描くと、南北に縦長の山手線が全て円内に納まります。東西だと西はJR荻窪駅の手前まで、東はJR亀戸駅を大きく越えます。
都内に限定したビジネスユースには充分な性能かと思います。

すでにエアバス社などの企業が、テスト飛行として今年に導入を決めているという話で、将来的には自動操縦で、カーシェアリングのようなアプリを使って車両予約することを目標にしている。とエアバス社は言っているようです。ニュースは「乗客がひとり」という様に読めます。2人乗りなのは非常時用の操縦者でしょうか?それとも念のための空き容量なのでしょうか?

とにかく近い将来、経済力があり法的にも問題のない国から、この様な流れになっていく可能性は高いと感じます。
そこには、いつも中国企業の影がつきまといます。

中国はドローン大国になるのか

日本経済は明治維新から現代までに大きく飛躍しました。
紡績などからはじまり、様々な製品を輸出して経済を発展させてきたのです。

昭和の後期や平成生まれの世代には信じられないことですが、「メイド・イン・ジャパン」は、かつて「安物の粗悪品である」というモノの代名詞だったという話があります。

さて私たちは「中国製」に、どの様なイメージがあるでしょう?多くの人が「安物」「品質が良くない」と考えるかと思います。
しかし今やドローン製品をみると中国メーカーがトップシェアを誇ります。よく考えると、ドローン以外の製品でも、多くのメーカーが中国の工場で製造するのは当たり前になってきています。中国は既に工業国としての地位を盤石にしています。

そして今回の乗用ドローンです。中国はドローンの開発と製造に関しては、もちろん軍事用から始まったものという点も考慮しなければなりませんが、他国の先を行っているという感が否めません。
日本は電化製品、乗用車大国であったはずですが、ドローンに関しては確実に遅れをとっていると言って良いでしょう。
しかも電化製品に関しては、すでに落日の雰囲気が漂っています。新興国の台頭が著しいからです。

自動車は安泰なのか?

旅客機のパイロットは飛行中、ずっと操縦桿を握っているわけではない事は有名です。
空中には障害物がほとんどないので自動操縦が容易なのです。
これに比べ道路などでの自動操縦は、複雑な技術とコンピューターの学習がたくさん必要です。
将来の自動操縦を考えるときに、手っ取り早く実現するなら空を飛ぶ方を選択する方が経済的かと思います。そうなると自動車産業のシェアが削られることが考えられます。そうです、日本が誇る工業製品である自動車のシェアです。

日本の産業は、もっと世の中の変化に対応したほうが良いと思う

時代は変化している。そして今、加速度的に大きく変化している。日本は出遅れているのではないか?という意見は様々な分野で語られています。私も同意見です。
かつて、欧州の大国を経済で抜き去り、最盛期には世界第2位の地位を手に入れた日本。その時には日本のために、経済が縮小した国も多かったはずです。他国の産業を淘汰へ追い込んだ日本。
しかし、今やこの国は「淘汰される側」に立っているのではないでしょうか。そして一番やっかいなのは、その自覚が足りないことである様に思います。

たかがドローンの話。ではないのかも知れません。第二次世界大戦後の日本経済発展には、アメリカの手助けが大きかったと思います。しかし日本は今、自らの足で立つ立派な国で、自国で何とかしなければいけません。

ドローン産業や新しい分野の産業に携わる方は「壁にあたる」ことが多いかと思います。
それは技術的なことであったり、経済的なことがメインかもしれません。が、しばしば「世の中の枠組み」が壁になることもあります。
従来の枠組みから、少しでもはみ出ると受け入れられない、認められないことが多々あるのです。
ドローンで経済活動を行う者は、手を携えて壁を乗り越えるべきなのではないでしょうか?
それは今なのではないでしょうか?

この国を、豊かなまま次の世代に引き継ぎたいと願う時、私たちに何ができるのか。そんなことを、このニュースで考えさせられました。