私たちが普段使う「ドローン」という言葉。よく考えると正式名称なのかな?と思うことがあります。今回は航空機にまつわる「名称」のお話をしたいと思います。

まずドローンという名称ですが、これは無人航空機のことを広く言います。「広く言う」とわざわざ書いたのはドローンと聞いて多くの人が思うイメージと少々違うものも含まれるからです。

「ドローンが飛んでいる」と聞くと現代人の多くの人は、ローターが4つまたは6つくらい付いたラジコン操縦機が飛んでいる様子を思い起こすはずです。しかしドローンは固定翼の飛行機もあります。代表的なものがアメリカ軍の偵察機「グローバルホーク」です。ニュースで見たことがある方もいらっしゃるでしょう、これもドローンの一種です。(下図参照)

Global Hawk UAV Drone

では私たちがイメージするローターが4つまたは6つくらい付いたラジコン操縦機は何と呼べば良いのか?…ドローンでOKならそれで良いかと思います。厳密さを求めるなら「無人マルチコプター」と呼称するべきなのでしょうが一般的に通じにくいですし、聞く人に堅苦しい印象を与えてしまいます。

なぜ無人マルチコプターが正式名称ではないのか?これは謎です。マルチコプターと呼ぶ方もいますので、これで良いと思うのですが…キッチリしたい人はモヤモヤする話かもしれません。

世の中には名前の持つ意味が広いもの、名称がわからないもの、正式名称ではない呼び名が定着しているものや曖昧なものが多くあります。航空機にまつわるものにもいくつかありますので次にそれを見てみましょう。

セスナ(社名が正式名称の様になってしまった)

写真のような飛行機をセスナと呼ぶことが多いのですが、セスナは「セスナ・エアクラフト社」という飛行機のメーカー名です。

これは文具「ホッチキス」の正式名称が「ステープラー」である…というものと全く同じです。ホッチキスは明治時代に輸入されたのがホッチキス社の製品だったので、そのままホッチキスとして呼ばれています。

ではセスナと呼ばれる飛行機の本当の名前は何なのか?というと実はキッチリと決まっていないようです。正式名称にこだわるNHKは「軽飛行機」と呼んでいます。この呼び方が一般的なようです。他にも「小型飛行機」「自家用飛行機」などと呼ばれることもあります。(ちなみにNHK「ホッチキス」は「ホッチキス」と呼んでいるようです)

ゼロ戦(定着しすぎて正式名称がボヤけてしまった)

ゼロ戦の正式名称は「零式艦上戦闘機(れいしきかんじょうせんとうき)」です。みんながゼロ戦と呼ぶので改めて聞かれるとわからないですよね。「誰がゼロ戦という呼び方をしたのか?」「いつ頃ゼロ戦と呼び始めたか?」は、いまだにわからないようです。興味のある方は調べてみたらいかがでしょう。

ジャンボジェット(定着しすぎて正式名称がボヤけてしまった2)

海外旅行の飛行機といえばジャンボジェットという時代があったほど日本の空では馴染み深い飛行機でした。いまでもジェット旅客機をジャンボと呼ぶ方もいるようです。ジャンボジェットの正式名称は「ボーイング747」(B747またはB-747と表記することもある)。ボーイング社(B-)という会社の747という型番の飛行機ですよ、という意味です。

第二次世界大戦でアメリカ軍が「B29」という爆撃機を使用していました。これもボーイング社の飛行機なので「B29」のアルファベット「B」をボーイングの「B」と思っている方もいらっしゃるのですが、こちらは米軍が名前を付ける時の決まりでアルファベットはどんな飛行機であるかを示します。「B」は「爆撃機(bomber)」を表す「B」です。
最近は姿を見る機会が減ってしまったジャンボジェット、皆様も見かけたら今のうちに写真を撮っておくと記念になるかと思います。

オスプレイ(航空機としての名称を知る人は少ない)

オスプレイという名前は愛称で正式名称は「V-22」という名前です。米軍機ですのでアルファベットでどんな飛行機であるかを示す決まりがありましたね。「V」と書いてあります。これはVTOL(Vertical Take-Off and Landing:垂直離着陸)機を表します。と、ここまでで説明はOKかな?と思いましたが、話が早く終わってしまったので蛇足を一つ。

先に出たセスナやジャンボジェット機は固定翼機で、ヘリコプターは回転翼機です。ではオスプレイは何と呼べばいいのでしょう?普通に飛んでいる時は飛行機みたいだから固定翼?それともヘリコプターと同じようにローターがあるから回転翼?

正解は「ティルトローター機」です。ローターを傾けるという意味を持つ「ティルトローター」現在は気の利いた日本語訳がないために「固定翼」「回転翼」「ティルトローター」という感じになってしまいます。

人間だもの

このように航空機に限っても、ちょっと考えると名称が意外に広範囲であるものや正式に決まっていないもの誤解されているものなど色々ありました。本当はもっと多いのですが今回は軽く触れるだけ、ということで。

そして最初の疑問に戻って「ドローンの正式名称って何だろう?」と考えたとき、もはや名称など些細でどうでも良いことなのかな?とも思えてきました。人間が考え、人間か使うものだから結局キッチリすることなんてないのかも知れません。だって人間だもの(人の言葉を借りました)。大空の、ほんの一部に携わる私たち。小さなことなど気にせず、この大空のようにひろい心をもっていきたいものですね。

スポンサーリンク

ドローン未経験者・初心者必見!