9/1、本日は防災の日。

今やドローン関連企業の生き残りのための登竜門になっているのではないかとさえ思われる、行政との災害協定。色々な空撮会社や協会と行政による協定締結のニュースが、毎日のようにメディアに掲載されてますね。この取り組み、意気込みについては大変素晴らしいことと思います。また、そのご決断には心から感謝申し上げます。ただ、実際にドローンによる災害活動を経験している立場として心配に思うこともありますので、今日はそのあたりのことを正直ベースで書かせてもらおうと思います。

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協定結んだのであれば、せめて訓練は定期的に行って欲しい。

本当に災害が発生した時、どれだけの企業や協会が実際に被災地に入って活動ができるのでしょうか?確かに私たち株式会社ダイヤサービスも、千葉県で初めて災害協定を地元と締結しました。そして、形だけではよろしくないとのお互いの思いもあり、実際に防災訓練で「橋が地震で崩落した」というストーリーの下に飛行訓練も行いました。ここで実際に、訓練まで出来ている企業や協会がどの程度の割合なのか、疑問に思ってくるのです。紙の協定締結書だけであれば、極端な話、誰でもできてしまうことになります。

でも、締結だけならただのパフォーマンにしかならない。有事の際には7割以上が凍りつき症候群になると言われています。凍りつき症候群とは、ショック状態になり、思うように脳や体が動かないことを言います。良い例が、東日本大震災の時の映像。すぐ近くまで津波が近寄ってきているのに、走らずにゆっくり歩いている方の映像をご覧になられた方も多いかと思います。走れよ!早く逃げろよ!、テレビで見ている分には誰しもがそう思うはず。ところが当事者はショック状態にあり、一生懸命走って逃げているつもりなんです。この凍りつき症候群を少しでも減らすため、日頃からの訓練が大切になってくるんです。もっともこれは、ドローンによる訓練に限った話ではないですね。

実際に災害対応まで行った企業・協会はどの程度いるのか?

当社の場合、リアルに九州豪雨で被災地入りして対応もしております。その後、秋田の豪雨の際にも声がかかりました。この経験を通して言えることは、よほどの災害知識が無いとドローンでの災害対応なんて無理、ということ。救急救命士や元自衛官を揃えてもなお、反省点は無数に見つかりました。現場では多くの想定外のヒヤリ・ハットも経験しました。プロを連れていても、本当に身の凍る思いの連続でした。

ドローンの操縦自体もかなりの難度を極めました。ほとんどが目視外飛行ですし、離着陸ポイントはいつ二次災害が起こってもおかしくないような場所ばかり。また飛行前後で毎回自衛隊とやり取りを行い、周辺のヘリコプターには通達を出して頂きましたが、それでも何度かヘリコプターが寄ってきたケースもありました。

すぐ横では自衛隊の皆様が行方不明者を捜索されたりしており、精神的ストレスも相当なものでした。仮に万が一、映し出される映像にご遺体が映ってしまおうものなら普通の方であれば平常心でいることなど、なかなかできないと思います。

精神的負担は半端ない

同行くださったクライアントの方はいわゆる一般的なサラリーマンの方で、災害慣れしているわけでもなんでもないのですが、数日で精神的に参ってしまい、途中で交代になっています。でも一般の方であれば恥ずべきことでも何でも無く、これが普通、当たり前だと思います。それぐらい、現場は恐怖に包まれています。

私も任務が完了して自宅に戻った翌日は、放心状態に近いものがありました。それでも、その後も次にいつ同じような招集がかけられるか分からないので、大雨予報等が発表されるとそれだけで一気に敏感になります。いつ呼ばれても良いように、臨戦態勢に体が自然と入ります。当然、社内で情報収集・共有もスタートします。相当なプレッシャーであり、気が休まることもありません。

そもそも論ながら、災害時は飛行自粛要請が敷かれる可能性大

そもそもですが、災害発生時は飛行自粛要請がかかる可能性が高いです。人命救助が最優先ですので、自衛隊ヘリがバンバン飛びます。そんな環境で普通は飛ばせませんし、その前に飛行自粛要請が敷かれるはずです。このため、災害直後、ドローン飛行の出番は現時点ではほぼ無いと思ったほうが良いです。

当社が飛行自粛要請を解除できた理由

九州豪雨の際も当然、飛行自粛要請が敷かれました。救助活動の妨げになるのが目に見えてますので、当然の措置です。でも、当社はその自粛要請を解除して飛ばした。これには大きな理由があります。契約上多くを書くことはできませんが、いのちを守るための大切なインフラの点検であるということ、そして被災地入りをするにあたってきちんとした体制を組んでいる(=熟練パイロットがおり、救急救命士がおり、元自衛官もいる。そもそも全員がドローンの操縦もできる。全員がボランティア等で災害現場での活動実績がある)ということで、特別に解除が許されております。恐らくこういった自粛要請を解除できる民間組織なんて、日本には数えるほどしか無いと思います。

PR目的での安易な協定締結であれば考え直したほうが良い

最後にもう一度伝えておきます。PR目的での安易な考えでの協定締結であれば、今一度じっくり考え直したほうが良いと思います。本当に有事になった場合、災害現場は皆さんが思う以上に悲惨です。甘く考えないほうがいい。極論を言うと「命をかけて任務にあたることができますか?」という問いにYESと答えられない限り、やめておいたほうが無難だと思います。(ちなみに私は、万が一に備えて「あとは頼んだ」といった内容の家族あてのメールを用意してスマホに保存してあります。万が一の際に発信できるかどうかも分かりませんが・・・)

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