ご無沙汰です。千葉DRONE WALKER編集部の鴻池です。朝晩めっきり寒くなり、秋を感じる今日この頃、皆様いかがお過ごしですか?今日は読書の秋ということで、ちょっと長いですが読み物としてお目通しをいただければ幸いです。

NHK連続テレビ小説「ひよっこ」は好評のうちに終了しましたね。おや?「ひよっこ」とドローンに何の関係があるのだろう…と、思われるかも知れません。今回は「航空法」についてお話ししたいと思います。

それでも「ひよっこ」と「航空法」が全く結びつかないですよね。まず「ひよっこ」とはNHK朝の連続テレビ小説で2017年4月から9月まで放送されたドラマです。福島に近い茨城県北部から、高校卒業後に集団就職で東京にやって来た主人公「みね子」の1964年から1968年までの人生を描いています。私が、おや?と思ったのが「ひよっこ」第88話でみね子が東京で最初に恋に落ちた、島谷青年と初デートをする場面。デートの場所には東京タワーが選ばれました。ドラマの中で東京タワーを見上げる二人。ここで、ちょっとした違和感を覚えた人は東京タワー・マニアか東京タワーをよく見ている人か、最近東京タワーに行った人か…いずれにせよ、ちょっと注意深い人です。

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東京タワーは何色でしょう?

東京タワーは何色でしょう?と問われれば「赤と白」という答えが返ってきます。正解です。ちょっと法律を知っている人は「インターナショナルオレンジと白」と言うかも知れません。いずれにせよ赤っぽい色と白の縞々模様が思い浮かびます。では次の問題です。東京タワーには2つの展望台があります。このうち下にある大展望台の色は何色でしょう?

答えは「白色」です。東京タワーを画像検索してみるとわかります。大展望台は白く塗られています。「そうだっけ、赤じゃないの?」と思ったあなたはアダルトチームです。そう東京タワーの大展望台は色を変えているのです。この場所は赤に塗られていた時代がありました。というか元々大展望台は1996年まで赤色だったのです。以降は塗り替えられて現在の白色になりました。

「ひよっこ」88話では、この大展望台と当時と同じ赤色に加工していたのです!映像スタッフ頑張りましたね。というか良く気付いた。SNSでも一握りの方は気付いていたようです。現在の東京タワーは鉄塔の途中に色々アンテナが付いていますが、ドラマ中ではそれも取り除かれて、当時と同じ様なアンテナだけが付いています。こだわりを感じますね。ちょっと残念なのが、ドラマ中の東京タワーには現在のイルミネーション用のライトがついていました。(でも他は完璧です…と思います)

夜に光る飛行機にはルールがある

話をドローンに戻します。ドローンの多くに緑と赤のライトがついている機種があると思うのですが、あれは航空灯と呼ばれるものを模したものであるのは御存知でしょうか。航空灯と呼ばれるものは、ざっくりいうと航空機の向きや位置などを知らせる「ポジションライト」というもの(右の翼端に緑灯火、左の翼端に赤灯火、尾部に白色灯火)です。他にも赤い灯火を点滅させたり、白色の強い光を放つ衝突防止灯などがついています。夜に飛行機を見ると光っているアレですね。

飛行機が光っている理由は法律で決まっているからなのです。ドローンに同じようなものが付いている理由も、この為です。日本国内の法律を見ると、ドローン関しては航空機とはみなされないため義務ではないのですが、個人的には付いていた方が良いと思います。夜間飛行をする方は少ないかも知れませんが、視認できない機体は夜間飛行の許可が下りません。

日常風景に溶けこむ航空法

では航空法と東京タワーに何の関係があるのでしょう。それは東京タワーの塗り方なのです。先ほど東京タワーはユニバーサルオレンジと白色と書きました。日本語ではこれを「黄赤と白」と表現しています。この黄赤と白の組み合わせ、コンビナートの煙突や鉄塔にもよく使われています。これも法律で決まっているからなのです。地上(または建造物のある場所の水面)から60m以上の建造物は、航空機が高い建物があることを認識できるようにしなければいけないと法律で決まっています。

ビル街の夜景を見ると屋上で赤いライトがピカピカと光っていますが、それが「航空障害灯」と呼ばれるものです。高さや大きさによって光る方法や取り付け位置が決まっているのです。この赤い光がたくさん光っていると「ああ都会にいるなぁ」なんて思ってしまいますね。結構ステキな明かりだと思います。

そして昼間は、黄赤と白の組み合わせで建造物を塗装して注意を促すことになっています。これを「昼間障害標識」と言います。黄赤と白の組み合わせでなくても、白いせん光をピカピカ光らせることでも代用できます。山の中で「何か光っているな」と思うと煙突だったという経験があるかも知れませんが、これは航空法にのっとっているのですね。黄赤と白の塗装かせん光かは設置者が決めます。空を飛ぶものも、空に向かって建てられているものも危険を避けるために目立たせる必要があるのですね。このように航空法は私たちの日常風景に深く溶け込んでいるのです。

風景には理由がある…という世界

私たちの住む国の都市風景。もしかしたら、この様にひとつずつに理由があるのかも知れません。そう思ってみると面白いですね。空を飛ぶ飛行機が光っている理由。ビルの赤い灯火、東京タワーの色。これは航空法が作り出していました。他にも道路のマーキングや標識、信号の色、歩道の視覚障害者誘導用ブロック等も私たちには何気ない風景です。マンションに壁が垂直ではなく、山の稜線を描くように斜めになっているものがあります。これは建築法にのっとっているためにです。気付かないところに、法律や地域の決まりが作り出す風景があるのです。そして私たちの暮らしも風景を作り出しています。

NHKの連続小説「ひよっこ」は、そんな何気ない風景にもスポットをあてています。「神は細部に宿る」という言葉があります。小さなところにも手を抜かず心を込めたところが、ドラマの人気が高かったひとつの理由なのかも知れません。繊細な感性を積み上げるような素敵な作品でした。

いつか連続テレビ小説にドローンや、ドローンパイロットが登場すれば良いなと思います。それにはまず、ドローンがある日常を私たちがつくりあげなければいけないな…とも思います。いつか都市にドローンが飛ぶ日常が来るとき。ドローンの飛び方、飛ぶ場所、灯火などが決められると思います。人はその意味を知らなくても、そこには理由があり、そして美しい風景であれば良いなと、そんなことを思いました。

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